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拝啓 デマサイトを管理していた人へ

ブログ

   はじめまして。私は貴方と同じ年の25歳の在日コリアンで、名前はSHIONと申します。貴方がこんなブログを読むかどうか分かりませんが、今回、私のブログ上で手紙を書かせて頂きました。本当は私の実際に書いた字で、私の本名と住所をしっかりと明記した上で貴方に手紙を書きたいと思ったのですが、それはインターネットの特性上できないということでとても残念です。

 貴方がインターネット雑誌でインタビューを受けている記事を拝読させて頂きました。『大韓民国民間報道』というブログを立ち上げた経緯、ブログの中で問題になった記事はフェイクニュースであったこと、短期的にお金を稼ぎたいという目的があったこと、ニュースサイトの真似事をする方法、告訴されにくいということや記事のPV数を稼ぎやすいという理由だけでヘイトスピーチをまねくような記事を書いていたこと、様々な理由と手法でブログを執筆していらっしゃったのですね。私は貴方の無邪気でどこか他人事としか思えないような独白に対して、怒りを通り越して、もはや感心してしまうぐらいになりました。

 貴方の儲かりたいというちょっとした気持ちで書いたフェイクニュースによって、路上で「朝鮮人は帰れ」「韓国人は死ね」と口汚い言葉を吐くようになってしまう現実があるからです。私が今まで私の故郷として愛していた東上野の近くでもヘイトスピーチが公然と吐かれるようになりました。唾ならばまだしも、ありもしないことで中傷されるのは余りにも理不尽です。

 私は小学校1年生の時に帰化をしました。帰化をした理由は私が警察官になりたいという夢を親が実現させてあげたいという親心だったんです。私の両親や親戚たちは韓国籍であったことで進学や就職の際に苦労しました。私のいとこも警察官を志望していたのですが、国籍条項があったので警察官になることができませんでした。両親は私に日本籍を与えることによって、この社会で生きていく選択肢を与えてくれたんです。私が帰化した時は良い時代でした。やがては在日も全て帰化していくだろうと言われた時代で、本当に国境や民族なんていうものを考えなくても良いと思っていました。ですから、いつまでも国籍にしがみついている同胞たちを蔑んだ目で見ていた時代もありましたよ。しかし、そんな時代は過ぎ去って、私が韓国人であったというだけで言われもしないことで罵倒され、命を脅かされる時代になりました。

   最近、家ではどうやって苗字を変えようかと真剣に話してます。私の苗字は植民地時代に名乗っていた名前です。「そんな苗字をしていては韓国人だとバレるからいつでも変えなさい」と両親は言います。かつて日本に帰化することが可能性を広げると言われたのに今では名前を変えなければ命に関わると真剣に話すようになってしまったのです。私だけが被害に逢うのであれば、それは私自身、覚悟をしてこの現実を受けとめるだけで十分です。しかし、私には姪が居ます。この子の母親は私の妹です。この子が今後、韓国人の子だと言われいじめられ、こんなことを考えたくはありませんが、この子の命もどうなるか分かりません。私一人、もしくは私の一家だけで済む問題が未来の世代にも大きく影響を及ぼすようにもなってしまったんです。本当にやりきれません。

 貴方は記事の中で「デマや噂なんてこの世にありふれている。それに踊らされるのは個人の問題ではないでしょうか。噂を流した側の責務ではない。これからもデマはでき続けるはず。収益化できるかは別ですが」と言いました。貴方の流したデマそのもので私や私の大事な家族やそしてこれからの人生を健やかに生きていく権利のある姪の未来を大きく傷つけているのです。私は貴方の儲けたいという気持ちの犠牲にはなりたくありません。まだまだこの世の中を楽しく生きていく権利があります。貴方はちょっとした気持ちでやっていたのかもしれませんが、貴方のせいで私たちの人生は大きく変わろうとしています。それでもこの中を生き抜いて本当の言葉を私は見出していきたいです。その言葉の中に未来を生きるヒントがあると思うからです。

 貴方に言います。儲ける為だけに人を傷つけるようなサイトを作るのは止めてください。二度としないでください。私の平穏な日常と未来を返してください。私の切実なお願いです。