Twitterを眺めていると、プレミアム・モルツの宣伝が流れてきた。
「ビール、美味そうだなぁ。」と眺めていると、次々と差別的なコメントが書き込まれれる。
どうやら、宣伝に出ていた水原希子さんのルーツを攻撃しているらしい。
この攻撃を観ていて、ビールを飲みたいという気持ちから、一気に何とも言えない嫌な気持ちになってしまった。
嫌な気持ちになったのはプレミアムモルツの宣伝のコメントだけではない。
こんなコメントが平然と、Twitter上では流されていた。
⬜︎水原希子さん「人種や差別などの偏見がなくなってほしい」https://t.co/Qb6Jz8TveH
— フィフィ (@FIFI_Egypt) September 16, 2017
偏見がなくなって欲しいと願うなら、彼女の場合は分からないけど、例えば生まれ持った名前で活動する方が素敵だと思う。それを躊躇することこそ偏見って思われちゃうからね。頑張って!
水原希子が「人種や差別などの偏見がなくなってほしい」と語るのはごもっともだし、その通りなんだろうけど、ではなんで父親がアメリカ人、母親が韓国人で神戸に住んでいただけなのに日本人の芸名で仕事をしているんだろう。偏見どころか、日本人を名乗ったほうが日本では有利だと思ったからじゃ? https://t.co/HrbhGaBBvK
— 山本一郎(やまもといちろう@告知用) (@kirik) September 16, 2017
こんな呑気で、何も考えていないツイートを見て、思わず、あっけに取られてしまった。
在日コリアンである私には、かつて、2つの名前があった。
1つは日本社会の中で使っている「通名」と、もう1つは韓国人としての名前である「本名」である。
どうして「通名」があるのか?
わざわざ日本名を使わなくて良いじゃないか。
と思う人も多いだろう。
だが、日本名でなければ、銀行口座を開けない問題であったり、就職ができない問題などがあり、生きていくためにはどうしても「日本名」が必要になってくる。
そこで、植民地の頃の「創氏改名」の時につけた、名字を「通名」として、用いることになった。
私は現在、韓国籍から日本籍に帰化して、「通名」を「本名」として、使っている。
この「通名」だが、在日だとバレバレの名字なのだ。
私が本名を名乗ると、「ああ、在日の方ですか?」なんて、奇特な人に言われることもある。
ある日、父と一緒に食事を共にしていた時のことだった。
父は突然、こんなことを言い始めた。
「どうして、帰化した時に、名字を在日だと分からないような名字にしなかったのだろう。だから、お前、婿養子に行って、名字を変えることだってありだぞ。」
もう、「通名」すら使えなくなっている現実が私の目の前にあった。
「通名」を使うな。という人たちが居るけれども、「通名」を使わなければ生きていけないし、そもそも、「通名」で帰化したとしても、日本人だと認めてくれない。
都合の良い時だけ、日本人らしさを求めて、都合の悪い時には「外国人」だと言って、排除する。
それは名前にしても同じことだったようだ。