「東京」の茶番劇

   昨日の晩からずっとテレビを観ていると東京都議会議員選挙の話題で持ちきりだ。

都議会選挙の結果は小池都知事を支持する政党が圧勝して、自民党が大敗。民進党が微減して、共産党が微増した。

 隣の県に住んでいる人間としては東京都議会選挙なんていうのはハッキリ言ってしまえば、どうでも良い。豊洲の市場がどうだとか、オリンピックがどうだとか言われているが、こちらとしてはそんなことはほとんど関係無い。勝手にやってれば良いんじゃないの?と思ってしまうのだ。

 だけれども、不思議なことに今回の都議会選挙を国政選挙だと思い込んでいる人も居るらしく、安倍政権へ反対するために自民党に入れないようにしようとか、今回、選挙で自民党が負けたのは安倍政権への抵抗があるからだなんていうことばかりが取りざたされて、国政の選挙なのかと錯覚してしまうことがたくさんあった。そして、当の安倍首相も都知事選挙の結果を受けて、内閣改造をするらしい。

 都議会選挙が国政に影響を及ぼすっていうのは1993年の都議会選挙で自民党が敗北して、その年に行われた衆議院選挙で政権交代が成し遂げられたからだと思うけれども、一体、地方自治体の選挙が国政に影響を及ぼすとか及ぼさないとか何なんだろう。 

 都議会選挙の話で今は持ちきりだけれども、ずっと安倍政権に反対している地域がある。それは沖縄だ。普天間基地辺野古の問題でオール沖縄と超党派で連合を組ん、県議会選挙や県知事選挙で勝ってきた。でも、その結果が国政に影響を与えたなんて聴いたことがない。せいぜい、海の向こうの本土で話されることなんて、「沖縄では基地反対派が強いんだねー。」とか、「沖縄の人怒ってるんだねー。」いうことぐらい。

 中央の政治家も「また、沖縄かよ・・・・・。」ぐらいにしか思っていないんじゃないか。

 でも、沖縄の選挙にとって沖縄の基地問題って外野の私から観ても、豊洲の移転なんかよりも、もっと切実な争点であるはずだ。アメリカ軍の基地とどうやって暮らしていくのか?そして、どうやって安全を保つのか?本当にこれからも戦争に巻き込まれないのか?そんなことを地方自治体レベルでも考えていかなければいけないのだ。少なくともこんな問題を私が住んでいる地域で議論しているなんて聴いたことがない。

 おまけに沖縄県が頼りにしているはずの日本国政府は全くもって頼りにならない。ていうか、むしろ、地方自治の本旨に逆らって勝手に様々なことを押し付けてきているという訳の分からない構造になっているんだから。

 中央の政治家にとって、切実な問題を抱えているのはきっと東京だけとしか思っていなんだろう。

 今日はテレビを観なかった。いい加減、小池都知事の鉄仮面を観るのもうんざりするし、二元代表制の趣旨も理解できていない音喜多なんていう議員のこれからの意気込みこと、議会人としての矜持を捨てた「言い訳」を聴くのも疲れる。

 昨日、今日の都議会選挙で分かったことは東京の問題だけが国政に影響を与えるっていうことぐらいかっていうことか。きっと中央の政治家さんたちは日本=東京としか思ってないのかね。東京なんて日本の一部だろ。たまたま明治の御一新で天皇が京都から来ただけじゃないか。

 私は東京の茶番劇なんかよりも本当に今、困っている人たちの声を聴きたいよ。